この『新生への門出』は、国際カトリック・カリスマ刷新奉仕会(ICCRS)が2012年に発行したBaptism in the Holy Spirit(ICCRS教義委員会編集)の日本語訳『聖霊による洗礼』(総括:畠基幸、訳者:小熊晴代、校正:高木利彦、2015年8月29日 カトリック聖霊による刷新関西委員会発行)に基づき、2006年10月の改訂版(ヒスロ発行)を再度改訂したものです。主な修正は、原文の“Baptism in the Holy Spirit”の日本語訳を「聖霊の満たし」から「聖霊による洗礼」に改めたことと、縦書きを横書きに改めたことです。
「聖霊の満たし」には、「洗礼の秘跡」と「聖霊による洗礼」を混合させまいという配慮がありますが、聖霊の満たしを体験した者に自分はキリスト者として満たされたから完全になったと錯覚させる危険性もあります。「聖霊による洗礼」の主な利点は、洗礼者ヨハネとイエスが二人とも使った言い回しを保てることです。一方で、水による洗礼と聖霊による洗礼の二つがあるという誤解や、聖霊による洗礼は一生で一度限りの体験であるという誤解を生んでしまいがちな難点があります。
「聖霊による洗礼」は、人生を一変させる神の愛の体験です。キリスト者と教会に日々新たな命を注いでキリストの体を造り上げるために与えられる聖性の恵みです。神学的考察や司牧上の課題を含むその他の詳細についてはぜひ上述の『聖霊による洗礼』を参照していただきたいと思います。
2019年6月9日(聖霊降臨の主日)に、教皇フランシスコの主導によりICCRSとCFCCCF(カトリック・カリスマ契約共同体友愛会)が統合された法人格を有する単一組織、カリス(CHARIS、カトリック・カリスマ刷新国際奉仕会)が正式に発足し、それと同時にカリスの規約が施行されました。その規約によれば、カリスの目標は、カトリック・カリスマ刷新に存在する多種多様な現実の間にコムニオ(共に一つになる交わり)を築き上げ、世界に福音を宣べ伝えるために様々な形で奉仕することにあります。カリスを日本で代表する全国コムニオ奉仕会の目標もこれに準じています。カリスの目的は第一に「教会の至るところで、聖霊による洗礼の恵みが深められ、かつ、促進されるよう手助けすること」です。
この目的を達成する一手段として、カトリック聖霊による刷新全国コムニオ奉仕会は、コロナ禍において廃止されたヒスロ(聖霊刷新事務所)に代わるカリスプレスからこの「聖霊による生活刷新セミナー」の導きを発行することにいたしました。この本を利用されるすべての方々の上に主の祝福が豊かに注がれますように。
カトリック聖霊による刷新全国コムニオ奉仕会