【わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕らえようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです。】
（フィリピの信徒への手紙３章12節）
「精読箇所」 ヨハネによる福音書第17章と、フィリピの信徒への手紙第３章。
今週は、主とともに生きる命を最後まで忠実に生きぬくことと、イエスの似姿に変容されることとを考えます。
命のことば
第一日
聖霊は、あなたを変容させ、霊的に向上させて、より聖なるものにならせようと、今、あなたの中で真剣に働いておられます。ですから、あなたは聖霊の働きにすべてをお任せすればよいのです。主は、どんなことがあっても、あなたを孤独の中に放り出されることはありません。いつもあなたとともに働いてくださいます。
主は約束してくださいました。
【あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。】
（フィリピの信徒への手紙２章13節）
第二日
さて、次のことだけは、どんなことがあっても忘れてはなりません。それは、キリストと出会い、キリストのものになるということほどすばらしい生きがいは、絶対にあり得ないということです。あなたの最上の宝は、あなたがキリストの中に生きているその命です、この宝を保ち、これを更に高めていくためなら、持てるもの一切を投げ棄てても、何ら悔いるところはありません。
パウロの切ない叫びを聞きましょう。
【わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。キリストのゆえに、わたしはすべてを失いましたが、それらを塵あくたと見なしています。キリストを得、キリストの内にいる者と認められるためです。・・・信仰に基づいて神から与えられる義があります。】
（フィリピの信徒への手紙３章８～９節）
第三日
時として、あなたは辛い試練に出会うかもしれません。また、親友から裏切られたり、家族からさえも誤解されたりすることがあるかもしれません。しかし、もしもあなたが強い信仰をもって対処するなら、それらはあなたを打ち負かすどころか、かえってあなたの霊的生活の進歩向上のためのもっとも有効な手段となるということは疑いのないところです。
神のみことばがそれを約束してくださいます。
【わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。信仰が試されることで忍耐が生じると、あなたがたは知っています。あくまでも忍耐しなさい。そうすれば、完全で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります。】
（ヤコブの手紙１章２～４節）
第四日
神があなたと共におられる・・・このことを絶対に忘れてはいけません。神はあなたを本当に愛しておられて、たとえどんなことがあっても、あなたを見放されることはありません。ですから、どうしても耐えられないような試練にあなたを遭わせるようなことは決してないのです。もしも、あなたに試練をおゆるしになるなら、それと同時に、必ず、それに打ち勝つ力をもお与えになります。あなたをこの上なく愛しておられる主が、いつもあなたとともにいてくださることを疑ってはいけません。神は、はっきりと約束してくださいました。
【あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。】
（コリントの信徒への手紙一 10章13節）
第五日
あなたが、誠実を尽くして神を愛するなら、一切のことが、あなたの益になるように展開していきます。あなたの身に起こるどんなことでも、あなたのために、より深い、より優れた命の泉とならないものは何一つありません。神は悪の木からでも、善の花を咲かせることがおできになるからです。
神のことばに信頼しましょう。
【神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。】
（ローマの信徒への手紙８章28節）
第六日
あなたがキリストと一つに結ばれたいなら、まず、キリストのからだ（神秘体）と密接に結ばれなければなりません。キリストを真に愛するなら、キリストのものである兄弟姉妹をも愛さずにおれないはずだからです。ですから、あなたがあますところなくキリストのものであろうと望むなら、あなた自身をキリストのからだ（共同体）に結びつけて、他の兄弟姉妹たちと緊密に一致するように努めなさい。
神のことば。
【わたしたちの一つの体は多くの部分から成り立っていても、すべての部分が同じ働きをしていないように、わたしたちも数は多いが、キリストに結ばれて一つの体を形づくっており、各自は互いに部分なのです。】
（ローマの信徒への手紙12章４～５節）
第七日
キリストは、教会を通して、また他の兄弟姉妹たちの手を通して、あなたの中に働きかけてくださいます。が、それと同時にまた、主は、あなたを通して、全共同体に、そしてその中の兄弟姉妹の一人一人に働きかけようともなさるのです。兄弟姉妹たちは、先に、あなたを助けてくれました。今度はあなたが兄弟姉妹たちの恩に報いる番です。そのために、祈りの集いには必ず参加して、あなたに課せられた奉仕の役割を果たすように力を尽くしましょう。
神はそれをあなたに願っておられます。
【互いに愛と善行に励むように心がけ、ある人たちの習慣に倣って集会を怠ったりせず、むしろ励まし合いましよう。かの日が近づいているのをあなたがたは知っているのですから、ますます励まし合おうではありませんか。】
（ヘブライ人への手紙10章24～25節）
さて、皆さん。
今、仮に、あなたが何億円かの遺産を相続したとしたら、あなたはどうされますか？ 恐らく、それを悪い人たちに騙し取られたりしないように、賢明に慎重に保管なさることでしょう。
実は、あなたが今、主から相続したものは、何億円かの財産などとは比較にならぬほどの莫大な宝、実にあなたの命と交換しても悔いることのないほどに貴重なものなのです。どうぞしっかり保管してください。慎重に、賢明 に・・・誰にも奪い去られないように。
イエスは、高価な真珠を探し歩く宝石商人を譬えにとって、こう話されました。【天の国は次のようにたとえられる。商人が良い真珠を探している。高価な真珠を一つ見つけると、出かけて行って持ち物をすっかり売り払い、それを買う】（マタイによる福音書13章45～46節）と。
高価な真珠とは、神の国のこと、つまり神と共に生きる命、ずばり神ご自身のことです。その無限の宝を手に入れ、そして失わないためにはあなたの一切を投げ打つことも覚悟してください。
イエスは、あなたにこう言われます。【心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい】（ヨハネによる福音書14章１節）と。
ですから、何も恐れてはなりません。神があなたと共にいて、あなたを愛しておられるのです。そうです。神ご自身があなたのそばにおられて、あなたを慈しみ深く見守っていてくださるのですから、どんな敵もあなたを倒すことはできないのです。
もちろん、あなたのさまざまな問題が全部解決済みだというのではありません。あなたはまだまだ完成されてはいないのですから。けれども、あなたには「道・真理・命」であるお方がついていてくださいます。あなたは、今や、永遠の栄光への道を、間違いなくしっかりと踏み出されたのです。
【神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。・・・
わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。】
（ローマの信徒への手紙８章31、37～39節）